
転職したいので転職エージェントを使おうと思っています。けど、転職エージェントってどうして無料なんだろう?悪質求人を紹介されることはないのかな?
こういった疑問にお答えします。
転職エージェントの仕組み


転職エージェントは、「人材が欲しい企業」と「仕事を探す求職者」をマッチングさせるサービスです。
人材が欲しい企業からは、欲しい人材・能力・経歴などの採用条件をヒアリングして、エージェント内に求人情報として保管します。求職者から相談を受けたときは、保管された求人のなかからマッチするものを選び、求職者に提案します。
転職エージェントが無料で利用できる理由


求職者が転職エージェントを無料で利用できる理由は、以下の2つです。
- 企業から報酬をもらうため
- 法律で求職者から手数料を受け取れないため
それぞれ解説します。
理由1.企業から報酬をもらうため
転職エージェントは、企業から受け取る成功報酬(コンサルティングフィー)を収入源としているため、求職者から料金を取らなくてもサービスが成り立ちます。
成功報酬が発生するのは「求職者が内定をもらって入社したタイミング」なので、企業側も採用者が出ない限り費用は無料です。
なかには、成功報酬を得るためだけに、求職者をとにかく早く面接させたがる悪質エージェントが存在します。そういった転職エージェントを見抜くには、転職エージェントを活用する際の4つの注意点を参考にしてください。
理由2.法律で求職者から手数料を受け取れないため
転職エージェントが無料で利用できるのは、「有料職業紹介は求職者から手数料を受け取ることは禁止」と、職業安定法にて規定されているためです。
※有料職業紹介とは…企業から手数料を受け取って人材紹介するサービス
【職業安定法 第三十二条の三】
第三十条第一項の許可を受けた者(以下「有料職業紹介事業者」という。)は、次に掲げる場合を除き、職業紹介に関し、いかなる名義でも、実費その他の手数料又は報酬を受けてはならない。
職業紹介に通常必要となる経費等を勘案して厚生労働省令で定める種類及び額の手数料を徴収する場合
あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表(手数料の種類、額その他手数料に関する事項を定めた表をいう。)に基づき手数料を徴収する場合
引用:e-Gov法令検索『職業安定法 第三十二条の三』
企業が転職エージェントで人材を集める理由


そもそも、なぜ企業は手数料を支払ってまで転職エージェントで人材を探すのでしょうか。理由として、以下の5つが考えられます。
- 企業にマッチした人材を紹介してもらえる
- 企業の採用担当者の業務負担を削減できる
- 採用コストを削減できる
- 非公開求人にできる
- 直接応募や紹介で人が入ってこない
採用にかけるコストを減らしたうえで欲しい人材が来るのであれば、企業が転職エージェントを使わない手はありません。非公開求人にすることで、本当に有能な人材にのみ求人情報が開示されるというのも、企業にとっては大きなメリットです。
一方、ネガティブ発想ですが「直接応募や紹介で人が入ってこないから転職エージェントを使わざるを得ない」、という可能性も一つ考えられますね。
転職エージェントには種類がある
転職エージェントには、「総合型」「特化型」の2種類が存在します。
総合型エージェント | ・取り扱う業種・業界の幅が広いエージェント ・求人数が豊富な傾向がある ・「はじめて転職する」「キャリアの幅を広げたい」「向いている仕事を知りたい」という方に最適 |
特化型エージェント | ・特定の業界やスタイルに特化したエージェント ・総合型と比較して求人数は多くないが、その業界ならではの採用事情やキャリアプランに詳しい ・「この分野で働きたい」「キャリアアップを相談したい」という方に最適 |
はじめて転職する場合は、複数のエージェントを登録することが定石です。自分がどうなりたいかに応じて、「総合型エージェントを複数登録」「総合型と特化型を併用する」など、柔軟に使い分けることをおすすめします。
代表的な各種エージェント
総合型:リクルートエージェント、マイナビエージェント、doda
特化型:レバテック(IT)、ハタラクティブ、ASSIGN AGENT
転職エージェント利用でよくある質問


転職エージェントを利用するにあたって、よくある質問を4つ紹介します。
- 途中でエージェントを退会しても大丈夫?
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まったく問題ありません。いつどのタイミングで退会しても、一切の費用を問われないので安心してください。
- 担当者が合わないときは変更できる?
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もちろん可能です。電話・メール・Webサイト・その他やりとりに使用しているツールなど、都合の良い方法から連絡すると良いでしょう。
- 転職エージェントで決まった内定は蹴っても大丈夫?
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大丈夫です。それで怒られることもなければ、費用がかかることなどもありません。
ただし、内定辞退は、企業と転職エージェントの関係に影響を及ぼす可能性も少なくありません。今後同じエージェントを利用する可能性が0でないのであれば、担当者に辞退する理由を誠実に伝えたほうが賢明です。
- 有料の転職エージェントを見かけたがあれは何?
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転職エージェントを有料で行うことは法律で禁止されています。どんなに魅力的な謳い文句であっても、近づかないでください。
ただし、転職エージェントと似たものとして「キャリアコーチングサービス」があります。こちらは、転職を前提としないキャリアに関して総合的に相談を行うサービスで、企業からではなく相談者から費用を貰うという点から、職業安定法には違反しません。
キャリアだけではなく、将来的な生活やビジョンについても相談できるので、気になる人はぜひ以下の記事を読んでみてください。
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まとめ:転職エージェントもビジネス。いかにエージェントを使いこなせるかで転職の成功率が変わる
転職エージェントは、企業に新たな人材が入社時点で成功報酬を得るビジネスモデルとなっています。その性質上、なかには成功報酬のためだけに良くない求人案件を紹介するエージェントが潜んでいます。
そういったエージェントを回避し、転職活動を効果的に進めるには転職エージェントを活用する際の4つの注意点をふまえた行動が必要です。
ぜひ転職エージェントをフル活用し、新たなキャリアを見つけてください。
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