転職を考えていますが自己分析の方法がわかりません。過去の自分にばかり固執して固定観念に囚われている感もあります・・・
こういった悩みに対して、書籍”世界一やさしい「才能」の見つけ方”をヒントに才能ベースの自己分析について解説します。新しい切り口の自己分析方法なので、目から鱗が落ちること間違いなし。
なぜ自己分析が必要？
自己分析が必要な理由は、自分を棚卸しして「本当にやりたいことは何か」「自分が入るべき会社はどこか」を見極めるためです。
自己分析の方法を調べると、自分史を書く・マインドマップを作る・MBTI診断を受けるなどと羅列されているサイトが出てきます。こういった形式的に何かに当てはめる方法では、「過去の自分の行動」に縛られて正しく自己分析できないデメリットが生じます。
過去の行動ではなく「自分の才能を知ること」が本当の意味での自己分析であり、それが最適な仕事選びの軸となるのです。
才能って何なの？
才能とは「ついやってしまうこと」をいうと、本書”世界一やさしい「才能」の見つけ方”では定義づけられています。
つい考えずに動いてしまう
つい人の動きを見てしまう
ついリスク先行で考えてしまう
つい人の気持ちばかり考えてしまう
ついネガティブになってしまう など
上記は才能の入り口部分。誰もが、これらよりも深い「無意識にやってしまうこと＝その人だけの才能」を持っているにもかかわらず、それを自覚できていません。
具体的な才能を見つける方法は後述するので、今は「才能とはついやってしまうことである」がわかっていれば大丈夫です。
”才能”と”スキル”は違うの？
才能ベースで自己分析をする方法があることはわかった。その才能というのは、スキルとか技術とかそういうのとは違うの？
全くもって違います。才能とスキルの違いは以下のとおりです。
- 才能：生まれつき持っているもの
- スキル：後天的に身に着けたもの
才能とは、「表情から人の気持ちが読み取れる」「努力できる」「色々なものに興味を持てる」といった、その人が先天的に持っている性質をいいます。これらは誰もが持てる強みではなく、そして比較できる能力ではないので、一生腐らずに使える武器になります。
一方でスキルは、「プログラミング」「英語」「ライティング力」など、後天的に身につけた性質です。スキルは、年齢や状況、時代の流れによって腐る可能性があり、例えば自分より能力が秀でた人間がいれば替えが効いてしまうようなモノです。
「スキルを活かしたい」で転職すると失敗する
転職でよくある失敗の原因に「スキルを活かした仕事探しをしたい」というケースが、多く存在します。
保育士として働いていたが、想像とのギャップがあって辞めてしまった。しかしせっかく努力して就いた仕事なので、次の仕事は保育士の経験を活かせる職場が良い。
このケースは、「経験やスキルを活かす」に重きを置いた思考になっている状態です。そもそも保育士が嫌になって辞めたのに、その経験を活かす働き方をして本当に幸せでしょうか。
その人が何に重きを置くかによりますが、その行為は”向いていない仕事に自ら飛び込む”そのものです。
もちろん最強は「才能×スキル」
じゃあ、スキルって習得する意味はないの？
カナメ答えはNo。スキルは才能を活用するための武器になります！
あくまで重要なのは「才能を活かした仕事探し」。才能を活かせる環境が決まれば、あとはその環境で遺憾なく成果を出すための外付けの武器（スキル）を身につけるだけです。
僕を例にとると、以下のような感じです。
自分の才能：人の悩みを言語化できる。声や表情から人の気持ちが読み取れる。
才能を活かすスキル：ライティングスキル、SEO、カウンセリングスキル
才能×スキルで生じること：ブログやメディアなどの文字媒体で人の悩みを解決させられる。SEOスキルを学び検索上位を取ることで、多くの方に悩み解消ノウハウを届けられる。また、人も話を汲み取り、適切なアドバイスをしてあげられるようになれば、カウンセラーとしての道もあると思う。
才能が分かれば、それをどう派生させるかの可能性が広がっていきますね。
転職成功の秘訣は”才能”をフル活用できる環境に飛び込むこと
”世界一やさしい「才能」の見つけ方”では、以下のような事例が紹介されていました。
学校の管理栄養士からヨガインストラクターに転職したSさん。「相手の反応にあわせて適切な説明ができる」という才能を自覚したSさんは、それを遺憾なく発揮できる「ヨガインストラクター」という未経験業種に応募。才能が評価されて、無事内定を獲得しました。
今の仕事に就くため、様々な勉強や努力をしたと思います。けれど、「その努力した時間を無駄にしたくないから」と、無理して続けて自分を苦しめる必要はありません。
まずは、自分の才能を発見して、それが本当に合っている仕事なのかどうかを確かめてみましょう。
“自分の才能”を見つける5つの方法
“世界一やさしい「才能」の見つけ方”で紹介されていた、才能を見つける方法を解説します。
- 方法1：人にイラつくことは何？
- 方法2：人に怒られたことは何？
- 方法3：人に褒められて意外だったことは何？
- 方法4：禁止されたらキツいことは何？
- 方法5：人は嫌がるけど自分には簡単にできることは何？
才能を見つけるヒントとして、上記5つの自分への質問がポイントとなります。
方法1：人にイラつくことは何？
才能を見つける1つ目の手段は、つい人にイラついてしまうことを探す方法です。
まずは過去を振り返り、「あの瞬間はイラついたな」「ああいう風に言われた時は腹立ったな」という経験を振り返ってください。自分であれば普通にできるのに、それをできない人を見るとき我々人間はついイラつきます。
つまり、”人にされてイラついたその逆のこと”が、あなたの才能なのです。
| イラついたこと | あなたの才能 | |
| ケース1 | 自分勝手な発言をされてイラついた | 相手の立場になって考えられる |
| ケース2 | 相手の発言が矛盾していてイラついた | 論理的に考えられる |
| ケース3 | 相手の仕事の遅さにイラついた | 物事を効率的に進められる |
我々も人間ですから、イラつくことはあるはず。「もしこうされたら腹立つな」という視点で考えるのもOKです。
方法2：あなたの短所は何？
あなたが短所だと思う要素にこそ、自分の才能を紐解くヒントが隠れています。
「過去に怒られたり注意された」「短所だと思っている」ことをピックアップしましょう。ピックアップしたら、それを長所に置き換えてみてください。
| 短所や注意されたこと | あなたの才能 | |
| ケース1 | ネガティブすぎると言われた | リスクマネジメントの才能がある |
| ケース2 | 飽きっぽい性格である | 色々な分野の見識を幅広く得られる能力がある |
| ケース3 | 世の中や社会の批判ばかりしてしまう | 社会を風刺する表現者になれる才能がある |
ちなみに、「自分の性格や特性をマイナスに捉えられ注意されてしまう環境」は、自分の才能を活かせない環境であることとイコールで、あなたに合っていない可能性があることは留意してください。
方法3：人に褒められて意外だったことは何？
「自分は大した努力をしていない」「努力が辛くなかった」と思っている事象に対して、周囲から”すごいね”と言われた経験はないでしょうか。
「すごいね」と言われる背景には、その人からしてみればハードルが高いことという事情があるのでしょう。一方、自分は大した苦労もせずにこなしている。つまり、両者にはその事象に対して、才能があるかどうかの違いがあるのです。
「才能＝無意識でやっていること」なので、人から褒められた経験には自分の才能を見つけるきっかけが隠れています。
過去にすごいねと言われたこと：人の話をしっかりと聞ける人なんだね
才能：窓口対応（人が求める対応ができる）、モノ作り（どういった要素が欲しいのかを汲み取って落とし込める）、カウンセリング（悩みをちゃんと聞いて適切な答えを出せる）など
自分でいうのは恥ずかしいですが、これは才能を自覚するだけでなくその先にある”自己分析”においても重要です。
方法4：禁止されたらキツいことは何？
「やってはいけません」と禁止されたらキツいこと、これから自分の才能を探すことも可能です。
禁止されたら辛いことなんてわからない、という方もいると思います。そういった方は「過去に辛かった環境は？」と考えることを、”世界一やさしい「才能」の見つけ方”ではおすすめしています。
| 禁止されたら辛いこと 過去の辛かった環境 | あなたの才能 | |
| ケース1 | 感染症の影響で外を自由に出歩けなかったことが辛かった | 外交的で行動力があるという才能 |
| ケース2 | 人の手助けを禁止されたら辛い | 困っている人がいたら気にかけられる才能 |
| ケース3 | 読書を禁止されたら辛い | 見知らぬ知識をつい得ようとする才能 |
もし、禁止されたら辛いことを仕事にできたらどうでしょうか。「禁止されたら辛いこと＝ついやってしまう才能」なので、仕事に対してモチベーションがないとかやる気が起きないとか、そういった悩みからは解放されそうですよね。
方法5：とにかく夢中でやってしまうことは何？
最後に、とにかく夢中でやってしまうことから才能を探してみましょう。
「夢中にやれることなんかゲームしかない」と思う方もいるかもしれませんが、そのゲームも人によって何が楽しくてやっているかは違いますよね。
夢中になっているものを「なぜ好きなのか」という視点で紐解くことで、「自分はこんな行動や作業が好き」というような自分の才能を発見できます。
夢中なものに取り掛かるとき、気づいたら時間が経っていたという経験が誰でもあると思いますが、仕事でも同じようにしたらどうでしょう。趣味のように没頭できる仕事に取り掛かれるのであれば、仕事に対しての見方や人生観が激変し、幸せですよね。
才能を自覚できれば、そのような仕事や環境を見つけ、自分の人生を豊かにできます。
“才能”を自覚したら自己分析ができている
才能を探すという観点から5つの方法を紹介しましたが、これだけで相当質の高い自己分析になったのではないでしょうか。
そして、今自分がやるべきことがぼんやりとでも見えてきた、そんな気がしませんか。
ここでは、僕の友人を例に「才能を活かす・殺す」について、紹介させてください。
今の職場は、あなたの才能を活かせる場所ですか？
実はこの記事は、僕の友人に向けて書いたものでもあります。
彼は自分が興味を持った物事に対して、短期間で専門家と呼べるくらい詳しくなり、それを人に分かりやすく伝えられる才能を持っています。一方で、いわゆる事務作業や細かい仕事が苦手で、アルバイト時代からよくミスを繰り返して落ち込むというそんな性格。
にもかかわらず、そういった業務に適性がないと分かっていながらもそのような会社で働き、片道1時間以上かけて通勤を繰り返す日々。誰よりも良い人柄である彼が、会うたびに躁鬱状態がひどくなる。話を聞くと開口一番「仕事が・・・」というフレーズ。
明らかに、仕事が原因で貴重な若い時間を無駄にしており、そして自分をすり減らしている、同級生の自分から見てもそれが明らかです。
どんな仕事であればあなたの才能が活かされますか？
“世界一やさしい「才能」の見つけ方“を読み、才能を活かせる環境に身を置く重要さ、そして才能を殺さないためのノウハウを知り、「ああ、これは彼に教えてあげたい内容だな」とすぐに思いました。
何でもすぐに詳しくなれるスペシャリティな才能を持つ彼は、一般企業ではなく「何らかの専門的分野を扱う」「一般事務をメインにしない」「お客さんに何かを教える」、そんな要素を持つ仕事が合っているのではないかと、常々考えます。
また、違う書籍にはなりますが、”転職の思考法”という本では「専門性で勝負できるのは20代まで、30代からは20代で培った経験で勝負」とあります。これに沿うのであれば「20代後半である友人の彼には早くこれらのことを伝えたい」、そう思います。
（後日ここの話は追記します）
自己分析したあなたがやること
少し話が脱線しましたが、才能を自覚し、自己分析を終えたあなたができることは以下のどちらかです。
- 自分の才能を活かせる会社に転職する
- 才能をフル活用するためのスキルを身に着ける
才能をいかんなく発揮して新たなキャリアや違う会社に入りたいのであれば「転職エージェント」、自分の才能を活かす武器を身に着けたいのなら「スキルアップ」を目指しましょう。
それぞれ、転職エージェント、スキルアップについては以下の記事でも解説しています。
また、当記事で紹介した書籍は以下の2つ。転職や自己分析に悩む方はぜひ手に取ってみてください。
世界一やさしい「才能」の見つけ方 一生ものの自信が手に入る自己理解メソッド
このまま今の会社にいていいのか？と一度でも思ったら読む 転職の思考法
